立ちくらみがする!貧血以外にもこんな病気の可能性も!
座っていて、さっと立ち上がったとたんに目の前が暗くなる、なんて経験はありませんか。こういう「立ちくらみ」は、貧血のせいにされがちですが、むしろ別の病気のことが多いんです。気がつかないうちに大変なことにならないように、目を通しておいてください。
「立ちくらみ」はどんな症状?
急に立ち上がると、ふらついて、真っ直ぐに立っていられなくなったり、目の前が真っ暗になって、周りがよく見えなくなったりします。
めまいがしたり、気が遠くなったり、動悸が激しくなったり、疲れた感じがすることもあります。
ひどいときは、気を失って、倒れることもあります。
お風呂でのぼせた後に立ち上がった時などには、多くの人に起こることです。
「立ちくらみ」の原因は?
起立性低血圧症
普段の血圧は正常でも、寝ていたり座っている状態から立ち上がったときに、高い方の血圧が20mmHg以上・低い方の血圧が10mmHg以上下がる症状がでる疾病を、起立性低血圧症と言います。別名を、「脳貧血」と言いますが、本来の貧血症とは全く別の病気です。
実は、立ちくらみで一番多いのが、この病気と言われています。
人は、立ち上がると、血液が、下半身の方に移動します。それを補うために、通常ですと、心臓が活発に動いたり、末梢神経が収縮したりして、上半身の血圧が下がらないようにするのですが、なんらかの原因で、この調整機能がうまく働かないと、血圧が急に下がって、脳に運ばれる血液も減少して、立ちくらみなどの症状が出るのです。
起立性低血圧症の主な原因は、自律神経の乱れです。自律神経には、アクセルの働きをする交感神経と、ブレーキの役割がある副交感神経とがあって、うまくバランスを取りながら、心身の調整をしています。このバランスが乱れて、副交感神経の方が優位に立つと、血圧をうまく上げられなくなるのです。
高血圧症
高血圧症の場合も、一過性脳虚血発作を起こして、立ちくらみがすることがあります。これは、脳梗塞一歩手前の症状なので、厳重な注意が必要です。
また、高血圧症の人で、降圧剤を飲んでいる人は、人体に本来備わっている血圧調整機能がうまく働かなくなって、起立性低血圧症になり、立ちくらみを起こすことがあります。
血管迷走神経反射
迷走神経とは、主に副交感神経からなる脳神経の一つです。ずっと立ちっぱなしだったり、トイレに行ったり、突然の痛みや精神的ショックに襲われたり、ひどくお腹がすいたりすると、迷走神経が活発になって、血管が広がり、心拍数が少なくなり、そのせいで血圧が下がって、立ちくらみを起こします。
学校の朝礼でしゃがみこんだり、健康診断で採血をしたら気が遠くなったり、老人がトイレを済ませた直後に倒れ込んだりするのは、このせいです。
更年期障害
更年期に、ホルモンのバランスが崩れると、自律神経をつかさどる脳の視床下部がうまく働かなくなり、血圧の調整がむずかしくなります。そして、立ちくらみやめまいが起きるのです。
この頃知られるようになりましたが、男性にも更年期障害が起きることがあり、その症状として、立ちくらみが起きることがあります。
不整脈
一分間の脈拍数が60回未満の徐脈性不整脈の場合、数秒間脈が止まってしまい、脳に血液が送られずに、立ちくらみを起こすことがあります。
不整脈による立ちくらみは、横になっていても起きることがあります。横になっていて「立ちくらみ」というのも変ですが、要するに、クラっとするのです。
肥大型心筋症や大動脈弁狭窄症でも立ちくらみが起きることがあります。
内臓の出血
貧血によって立ちくらみをすることもありますが、特に、胃潰瘍・胃がん・十二指腸潰瘍・大腸ポリープ・大腸がん・子宮筋腫などで出血すると、貧血状態になって、立ちくらみが起きることがあります。
糖尿病
糖尿病の合併症の一つである神経障害が発症すると、自律神経に障害が生じて、血圧のコントロールが上手く行かなくなって、立ちくらみが起きることがあります。
立ちくらみの対策
血管迷走神経反射の場合は、安静にしていれば問題ないことが多いですし、起立性低血圧症の場合も、ゆっくり立ち上がるようにするとか、倒れた場合に備えて体をぶつけると危ないものを身近に置かないなどの対策をとれば、命に別状はないことが多いのですが、立ちくらみが、危険な病気のサインのこともあります。
頻繁に立ちくらみがする場合は、医者に見てもらった方がいいですね。
窓口としては、まず一般内科に行き、必要に応じて、他の科を紹介してもらいます。
何を食べても味気ない!若者にも増えている味覚障害とは
せっかくのおいしい料理が、味がしなくて消しゴムを噛むようだと訴える人が増えています。どういうことなのか調べてみました。
味覚障害ってどんな症状
次の様な場合に、「味覚障害」と言われます。
・味が薄く感じられたり、さらには、全く味が感じられなかったりします(味覚低下・味覚消失)
・口の中に何もないのに苦みや甘みが感じられます(自発性異常味覚)
・甘いものが苦く感じられるなど、本来とは違った味に感じられます(錯味症・異味症)
・何を食べても、吐き出したいような変な味がします(悪味症)
・甘みなど特定の味だけが分からなくなります(解離性味覚障害)
昔は、主に高齢者の病気でしたが、10代・20代の患者も増えていて、今では、子供の30%がなんらかの味覚障害であるという調査もあります。
でも、年を取ってから味覚がおかしくなってきたら、変だなと気づくことも多いですが、子供の時から、こんなもんだと思って成長したら、自分の味覚がおかしいことにも気づかないこともありますね。これが、この病気のやっかいなところです。
どうして味覚障害になる?
味覚障害になるには、いろんな原因がありますが、主なものを挙げます。
亜鉛不足
味覚障害の原因で一番多いのが、亜鉛の欠乏によるものです。
亜鉛は、人体で重要な役割を果たす「必須ミネラル」ですが、腸での吸収がされにくいこともあって、不足しがちです。
亜鉛が不足すると、舌にある味を感じる器官の「味蕾(みらい)」の働きが衰えて、味覚障害になります。
亜鉛が不足すると、それ以外にも、皮膚が乾燥したり、抜け毛が増えたり、貧血になったり、耳鳴りや難聴になったり、性機能が衰えたりします。
精神的にも、無気力になったり、記憶力が衰えたり、情緒不安定になったりします。
爪が割れやすくなったり爪の表面に白い斑点が現れるのも、亜鉛不足のサインの一つです。
加齢
年とともに、味蕾は減少・萎縮してきます。高齢者の味蕾の数は、新生児の三分の一にまで減ってしまうと言われます。
舌炎
舌の表面の、味蕾のあるところが炎症を起こすのが「舌炎」ですが、味覚障害を引き起こすことがあります。舌炎になると、ピリピリしびれたり痛みがあります。
口腔カンジダ症
口の中でカビが生える病気である「口腔カンジダ症」にかかると、味覚に障害が出ます。
ドライマウス
ドライマウスになると、唾液が減るので食べ物が口の中で溶けにくくなったり、味蕾の働きが弱ったりします。
妊娠
妊娠中は、味覚に変化が出ることがあります。妊婦さんの90%がなんらかの味覚の変化を感じているという報告もあります。そのなかには、味覚障害と言えるほどの変化を感じる人もいます。以前は、亜鉛が胎児に移って亜鉛不足になるせいと思われていましたが、最近では、ホルモンバランスの変化などが関係していると考えらています。
糖尿病
糖尿用の合併症として、神経障害がありますが、味覚神経が冒されると、味覚障害になります。
鼻づまり
風邪や副鼻腔炎(蓄膿症)で鼻が詰まっていると、嗅覚がおかしくなり、さらに、味覚もおかしくなることがあります。
うつ病
悩み事があったり、ストレスを感じていると、何を食べても砂を噛むようだという経験はありませんか。味覚と精神的なものは、深く関連しているのです。
うつ病や心身症の場合も、味覚に障害が出ます。
薬の副作用
鎮痛剤・抗うつ剤・抗生物質・降圧剤・睡眠薬・抗がん剤など、味覚障害を引き起こす可能性のある薬は多くあります。
味覚障害を治すには
病気により味覚に障害が出ている場合は、その病気の治療をします。
亜鉛不足の場合
亜鉛の不足が原因の場合は、亜鉛を多く含むものを積極的に食べます。
牡蠣・レバー・煮干し・ビーフジャーキー・チーズ・卵黄などに含まれています。
ビタミンCとクエン酸を一緒に摂ると、吸収が良くなります。
食事だけでは難しい場合は、亜鉛・ビタミンC・クエン酸を含むサプリもあります。
アルコールを分解するときに、体内の亜鉛を消費するので、お酒を飲む人は、特に亜鉛不足に気をつけましょう。
また、食品添加物の中には、亜鉛を体外に排出したり、亜鉛の消化吸収を妨げるものもあるので、添加物の多い加工食品等には注意が必要です。
味覚障害の治療
どうしても味覚障害が治らずに、QOL(生活の質)が低い場合は、病院で治療します。
まず、耳鼻咽喉科で診てもらい、必要に応じて、内科・歯科・口腔外科・心療内科などを紹介してもらいます。
味覚障害を専門にしている病院もありますが、数が少ないので、予約待ちになることが多いようです。気になる人は、問い合わせてみましょう。
空腹時にお腹が鳴って恥ずかしい!音を消すには?
お腹がすいて、「グー」と鳴ったりしたら恥ずかしいですよね。特に、来客中や会議中だったりしたら、「穴があったら入りたい」となりますね。
そんなときどうすれば良いのか、まとめてみました。
どうしてお腹が鳴るんでしょう
お腹がすくと、胃がキュッと縮まります。そして、胃の中の食べ物の残りかす・飲み込んだ空気・水分などが激しくかき混ぜられて音が出るのです。胃に何が入っているか、胃のどこが動くかで、音の大きさや音色が違ってきます。
胃が縮むと、連鎖的に小腸も縮んで音がしますが、こちらの音は、胃の音よりずっと小さくて目立ちません。
こうやって、胃や小腸の掃除をして、次に食べ物を受け入れる準備をしているわけですね。
胃が縮むのは、血液中の血糖値が下がったときに十二指腸から分泌される「モチリン」というホルモンの作用ですが、このホルモンは、90分から120分間隔で増えたり減ったりします。お腹がすいてグーグー鳴っても、しばらく我慢していると鳴らなくなるのは、そのせいですね。
音が鳴らないようにするには
お腹が鳴るのは、健康のあかしです。本当ならうれしいことですが、TPOによっては困ることもありますね。
そこで、とりあえず音が鳴らないようにするには、次のような方法があります。
空気を飲み込まない
空気を飲み込むと、それが胃にたまって、鳴る音が大きくなります。
早食いをすると、唾と一緒に空気も飲み込んでしまいます。よく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。
麺類や汁物を、すすって食べるのも、胃に空気を送り込むことになります。
炭酸飲料やガムも空気を飲む原因になります。
口呼吸すると、空気を飲み込みがちです。鼻呼吸に改めましょう。
ストレスがあっても、口が乾いて、唾を飲み込むことが多くなります。
猫背の場合も、肺が圧迫されて呼吸が浅くなり、口が乾いて唾を飲み込むので、空気を飲んでしまいます。猫背は、他にも健康に良くないので、治しておきましょう。
背筋を伸ばして腹式呼吸
お腹が鳴りそうになったら、お腹にぐっと力を入れて、背筋をピンと伸ばしてみましょう。そして、しばらく、腹式呼吸を続けます。このとき、空気を吸い込んだら、お腹に力を入れて膨らませたまま、可能な限り息を止めてから息を吐くようにすると、一層効果的です。
ちょっと何かを食べる
会議の前とか、面談の前など、お腹が鳴っては困るときの前に、ナッツ類・一口チョコレート・ゼリー・コンビニの低糖質スナックなどをつまんでおきます。くれぐれも食べすぎないように!
ツボを押す
手の「合谷(ごうこく)」というツボは、お腹がなるのを防いでくれ、空腹も鎮めてくれます。
親指の付け根の骨と人差し指の付け根の指の交わる辺りです。
「気海(きかい)」というおへその下のツボも、お腹が鳴るのを防いでくれます。
胃を抑える
指を2・3本揃えて、胃の箇所を上からグッと抑えたり、手のひらやコブシで、軽くトントンと叩いてみるのも、効果があることがあります。叩く場合は、できれば背中の方から叩くほうが効きます。
脚がムズムズして寝られない!どうしたら良い?
ベッドに入って、脚がへんにムズムズして、よく寝られないことはありませんか?
人によっては、座っていても脚がムズムズして気持ち悪いこともありますね。
対処法があるので、やってみましょう。
脚がムズムズする病気とは
寝ようとすると脚がムズムズする病気を「むずむず脚症候群」と言います。正式には、「レストレスレッグス症候群」とか「下肢静止不能症候群」と言います。アメリカでは、研究者の名から「エクボン症候群」と言われます。
治療が必要な患者は、日本でも200万人くらいいると言われますが、自分では病気とは思わず我慢している人や、病院でむずむず脚症候群以外の病気と診断された人を含めると、かなりの人がかかっていると思われます。
女性の方が男性より1.5倍なりやすいのです。
むずむず脚症候群の症状は
むずむず脚症候群になると、こんな症状が現れます
・寝ようとすると、脚の奥の方に気持ち悪い感じが生じて、なかなか寝付けなかったり、何度も目が覚める
・脚の感じは、皮膚の下を虫が這い回るようだったり、熱っぽかったり、電流がピリピリ流れるようだったりする
・夕方から夜にかけて、リラックスしているときに、脚がムズムズしてじっとしていられなくなるが、歩き回ったり、脚をさすったりすると楽になる
・症状は両脚にでることが多いが、片脚だけにでる人もいる
・脚以外にも、お腹・背中・腰などに症状が出ることがある
周期性四肢運動障害との関連
周期性四肢運動障害とは、寝ているときに、自分では動かそうとしていないのに、つま先や足首がピクピク動いたり、膝頭がグイッと前に突き出されたりする睡眠障害の一種です。
むずむず脚症候群の患者の八割が、この障害を持っています。
むずむず脚症候群になる原因
むずむず脚症候群になぜなるか、はっきりとは解明されていませんが、次のような説が有力です。
人間の筋肉は、無意識のうちにいつでも小刻みに動いています。普段は、ドーパミンという神経伝達物質の働きで、その動きは脳に伝わりません。ところが、ドーパミンの働きが低下すると、筋肉の動きが、そのまま脳に伝わって、不快感を感じると考えられています。ドーパミンは、夜になるにつれて、分泌が減るので、特に症状が現れるのです。
ドーパミンが弱くなる原因には、次の様なものがあります。
遺伝
遺伝的体質でドーパミンの働きが弱いことがあります。この場合、45歳になる前に発症することが多いです。
鉄分不足
鉄分が不足していると、ドーパミンがうまく働きません。
人工透析
腎臓病で人工透析を受けている人の三人に一人がこの病気になります。
妊娠
妊婦の五人に一人が発症します。妊娠中は、体内の鉄分が胎児の方に移動して、鉄分不足になりやすいのです。また、胎児によって脊髄が圧迫されるのも、関係があるのではないかと考えられています。
パーキンソン病
パーキンソン病は、ドーパミンの不足で引き起こされるので、むずむず脚症候群にもなりやすいのです。
糖尿病
糖尿病の合併症として、神経障害が起きることがあり、脚がピリピリします。
その他の病気
関節リウマチ・甲状腺機能低下症・痛風・尿毒症・結核・肺炎・肝炎などにより、むずむず脚症候群の症状が出ることがあります。
病気で胃を切除した後遺症で出ることもあります。
薬の副作用
抗うつ剤の副作用で、症状が出ることがあります。
むずむず脚症候群を改善するには
むずむず脚症候群になったら、つぎのようなことに注意しましょう。
鉄分を補給する
レバー・パセリ・卵・抹茶など、鉄分の多い食品を食べましょう。(抹茶にはカフェインが含まれているので、午後には避けましょう)
サプリメントも活用してみましょう。
嗜好品を控える
カフェイン・タバコ・アルコールは、症状を悪化させるので、症状が出やすい午後には控えるようにしましょう。
エクササイズをする
脚をマッサージする
ふくらはぎを中心に脚のマッサージをします。軽く叩いたり揉んだりします。
ツボを押す
むずむず脚症候群に効くとされるツボを押してみましょう。
軽い運動をする
ウオーキング・踏み台昇降・エアロバイクなど、脚を動かす運動をします。あまり激しい運動をすると逆効果です。
風呂に入る・シャワーをする
寝る前にお風呂で温めると、症状が改善する人がいます。反対に、冷たいシャワーを脚にかけた方が、症状が和らぐという人もいます。自分はどっちのタイプなのか確認してみましょう。
むずむず脚症候群の治療
むずむず脚症候群の症状がひどくて、夜寝られず、日中眠いとがだるいとかで、日常生活に支障が出るようならお医者さんに診てもらいましょう。
睡眠外来や神経内科・精神神経科などで診てもらえます。
むずむず脚症候群の治療には、現在、3種類の薬が使われています。医師に適切な薬を処方してもらいましょう。
白内障は若くてもなります!こんな症状は危険
「白内障」と聞くと、お年寄りの病気だと思っていませんか?「若年性白内障」の場合、20代や30代でもなるんです。10代でも可能性はゼロではありません。
気がつかないうちに進行していることがないように、あらかじめどんな病気なのか知っておきましょう。
あなたは白内障かも
このごろ、次の様な症状はありませんか?いくつも当てはまるようだと、白内障かも知れませんよ。
・明るいところに行くと、光がまぶしく感じる
・暗いところでは、視力が落ちる感じがする
・目がかすむ
・片方の眼の視力が落ちたような感じがある
・歩いていて距離感がうまくつかめずにつまずいたり転んだりする
・ものが2重3重に見える
・テレビの字幕が読み取れなくなった
・遠くのものがよく見えない
・反対に、近くのものがよく見えるようになった
・細かい作業をしていると視力が落ちてきて続けられなくなる
・視力が落ちたのでメガネやコンタクトを調整しても視力が上がらない
・顔にアトピーの症状が現れている
ただし、片目が白内障で見えにくくなっても、もう一方の眼で補うので、初めのうちは気づきにくいのです。
そこで、時々、片目をつぶって、一つの眼だけでものを見て、ダブって見えたりしないかチェックしてみましょう。
白内障はどんな病気
白内障とは、眼のレンズの役割を果たす「水晶体」が白く濁ってしまう病気です。
水晶体は、タンパク質とミネラルと水からできています。このタンパク質が変質すると、水に溶けなくなって、白濁してきます。また、タンパク質のなかのアミノ酸は、光によって分解して、黄褐色になってしまいます。
卵をゆでると、透明だった白身が白くなるのと原理的にはほぼ同じです。
白内障の原因
加齢
一番多い原因は加齢です。40代くらいから始まり、40代で40%、50代で65%、60代で75%、70代で85%の人がなり、80代になるとほぼ全員が白内障になっています。
加齢以外で白内障になる場合は、若年性白内障と言われます。
アトピー性皮膚炎
アトピーの人は、目のまわりがかゆくてかいたりこすったり叩いたりするせいで、白内障になりやすいといわれます。
20歳前後の若い人に多くあらわれます。
糖尿病
糖尿病の場合、詳しいメカニズムはまだ分かっていませんが、合併症として、白内障になることがあります。
近視
強度の近眼の人は、若いうちから白内障になりやすい傾向があることが、統計的に確かめられています。どうしてなのかは、まだはっきりとは分かっていません。
外傷
眼を強くぶつけたり、強くこすったりという物理的な力が加わったせいで、水晶体が傷ついて、そこから白濁が広がっていくことがあります。
衝撃を受けてすぐ発症することもあれば、何年も経ってから発症することもあります。
他の眼病
ぶどう膜炎・網膜剥離などの眼の病気のせいで、白内障になることがあります。
ステロイドの副作用
アレルギーの治療に使われるステロイドを長年にわたって大量に使うと、白内障になることがあります。
白内障の予防
加齢による白内障は、いつかは誰でもなるものですが、ある程度進行を遅らせることはできます。
紫外線対策
紫外線は、白内障の進行を早めます。サングラスやUVカットメガネなどは、有効ではありますが、眼とサングラスのすき間から紫外線が入ってきます。
帽子やサンバイザー・日傘などを使いましょう。
それより、紫外線の多いときの外出はなるべく控えましょう。
10時から14時くらいが、紫外線のピークですが、朝や夕方も、地平線近くの太陽から、光が水平に眼に届いたりして危険です。気を抜かないようにしましょう。
禁煙
タバコを吸うと、水晶体に含まれるビタミンCが破壊されて、白内障が進んでしまいます。
禁煙・節煙に努めましょう。
食事の注意
水晶体のタンパク質の酸化を防ぐために、抗酸化作用のある「ルテイン」「アントシアニン」「ビタミンC」を積極的に取りましょう。
ルテイン:ケール・ホウレン草・ブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれています
アントシアニン:ブルーベリー・ブドウ・ナスなどに含まれています。
ビタミンC:赤ピーマン・パセリ・芽キャベツ・レモンなどに含まれています。
食事だけで充分取れないときは、サプリメントで取りましょう。
白内障の治療
一度白内障になってしまったら、自然に治るということはないので、治療法としては、薬で進行を遅らせるか、手術するしかありません。
点眼薬
ピレノキシンやグルタチオンが処方されます。
手術
白内障が進行して、日常生活に支障をきたすようになったら、手術を行います。
白濁した水晶体を、人工的な「眼内レンズ」に置き換えるのです。手術自体は10分から20分位で終わります。
いったん眼内レンズを入れると、特に問題がなければ、50年位持ちます。
通院できて、家族の手助けが得られる場合などは、日帰りもできます。
レーシック手術をした人でも、白内障の手術を受けることはできますが、角膜の表面が変形しているので、眼内レンズの調整が難しいのです。
そのため、レーシックを受けた人の白内障手術の経験が豊富なクリニックで手術を受けたほうが安心です。
歯ぎしりをしていませんか?こんなに危険ですよ!やめるには?
ストレスを感じたとき、歯ぎしりすることはありませんか?朝起きたとき、歯茎が痛いことはありませんか?
歯ぎしりにはいろいろな問題があります。
大変なことにならないうちに、やめるようにしましょう。
あなたは歯ぎしりをしている?
自分でも気づかないうちに歯ぎしりをしている人もいます。次の様なことに当てはまるようなら、歯ぎしりをしている可能性があります。
・朝起きたときに、口のまわりがこわばっていたり、アゴがだるい
・肩こりがひどい
・よく頭痛がする
・歯茎に痛みがある
・歯のかぶせものが取れやすい
・下の歯の内側の歯茎に骨が盛り上がったところがある
・耳の下からアゴのあたりがこわばっている
・頬の内側に噛み跡がある
・舌に歯形がついている
・冷たいものを飲むと、歯茎が沁みる
・歯にひびが入っている
・犬歯周辺の歯がすり減っている
・口を閉じると、上下の奥歯が触れあう
・集中しているとき、歯をかみしめるクセがある
どうですか、当てはまるのもがあれば、知らぬ間に歯ぎしりをしているかも知れませんよ
歯ぎしりの種類
歯ぎしりは、こんな風に分類されます
グラインディング
歯を噛みしめて、左右にこすり合わせることです。そのとき、ギリギリと音を出したりします。
歯がすり減ったり、歯の付け根がけずれたり、知覚過敏になったりします。
クレンチング
歯をグッと食いしばることです。音はしないので、まわりの人にも気づかれにくいです。
歯が欠けたり割れたりすることがあります。
タッピング
上下の歯を、カスタネットのようにカチカチと小刻みにぶつけ合うことです。
これらの歯ぎしりが混じり合ったタイプの人もいます。
また、歯ぎしりをいつするかで分けることもできます
睡眠時ブラキシズム
ブラキシズムとは、歯ぎしりのことです。寝ている間に歯ぎしりをするのを「睡眠時ブラキシズム」といいます。眠りの浅いレム睡眠の時に、歯ぎしりがおきます。
覚醒時ブラキシズム
起きている間に、ストレスを感じたときや集中しているときのクセとして歯ぎしりをすることです
歯ぎしりの弊害
歯ぎしりを放っておくと、こんな困ったことになります。
・歯がすり減って、そのせいでは並びが悪くなり、今度はそのせいで歯ぎしりがひどくなると言う悪循環に陥ります。
・歯のエナメル質が削られて、知覚過敏になり、冷たいものや酸っぱいものが歯にしみたり、歯ブラシの毛が歯の根元に当たると痛んだりします。
・歯の根元に力が加えられて、歯の神経(歯髄)が死ぬことがあります。
・大きな力が加わるので、歯が折れることがあります。
・治療した歯の詰め物やかぶせものがポロッと取れてしまうことがあります。
・アゴに負担がかかって、顎関節症になります。
・歯周病を悪化させたり、歯茎が下がったりします。
・頬の粘膜が傷つくことがあります。
・口元のシワが増えます。
・下あごやエラが発達して顔が大きく見えるようになることがあります。
・頭痛や肩こり、耳鳴りがします。
・自律神経失調症や不眠になることもあります。
・睡眠時無呼吸症候群の引き金になる可能性が考えられます。(因果関係は研究中です)
歯ぎしりの原因
ストレス
歯ぎしりの原因として、最も多いものです。身体が、無意識のうちに、ストレスを発散させようとして、歯ぎしりをするのです。
噛み合わせ
もともと歯の噛み合わせが悪かったり、歯が抜けた後そのままにしていたり、虫歯治療の被せものが合っていなかったりすると、歯ぎしりの原因になります。
嗜好品
コーヒーなどに含まれるカフェインやアルコール、タバコ等が、歯ぎしりを引き起こすと言われています。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群と歯ぎしりには深い関係があることが分かっていますが、どちらが原因でどちらが結果かは、はっきり分かっていません。
逆流性食道炎
逆流性食道炎になると、睡眠中に胃酸が逆流して、口の中が酸性になります。すると、無意識のうちに、歯ぎしりをして、唾液の分泌を促し、口の中が酸性に傾くのを防ごうとするのです。
低血糖
健康な人でも、寝ている間に低血糖になることがあります。そうすると、それを回復するために、アドレナリンなどのホルモンが分泌され、交感神経が活発になります。
その結果、歯ぎしり・寝汗・悪夢などの症状がでます。
薬の副作用
抗うつ剤等の副作用で歯ぎしりをすることがあります。
歯ぎしりをしなくなる方法
ストレスを解消する
歯ぎしりの解消には、ストレス解消が効くことが多いのですが、どの解消法が向いているかは人によって違うので、入浴・瞑想・カラオケ・社交・ペット等自分に合ったストレス解消方を試してみましょう。
顎関節のトレーニング
マッサージをする
マウスピースを使う
寝るときにマウスピースを口に入れると、歯ぎしり自体は無くなるわけではないですが、歯やアゴへのダメージが軽減されます。
本格的に、自分に合ったマウスピースを使いたい場合は、歯医者さんに作ってもらいましょう。原則として、保険が適用されます。
リマインダーを使う
机の上やパソコンのどこかなど、ときどき眼に入るところに、何かの印をつけます。ペンで●をつけても良いですし、シールや付箋でも構いません。とにかく、目印を決めて、それが眼に入るたびに、自分が今、歯を食いしばったり歯ぎしりをしていないか意識して、もし、アゴに力が入っていたら、フッと力を抜き、深呼吸をします。
毎日続けると、条件反射的に、アゴに力が入らないようになってきます。
自己暗示をする
寝る前に、横になったら、体中の力を抜いてリラックスした状態で、深呼吸しながら、「私は歯ぎしりをしない」と何度か自分に言い聞かせてから、就寝します。
枕を変える
枕が高いと、歯ぎしりをしやすいので、できるだけ低い枕にしましょう。
歯並びを矯正する
歯医者で歯並びを矯正してもらいます。被せものの調整や、抜けたままの歯の治療をするだけでも、歯ぎしりがだいぶ改善されることがあります。
ボツリヌス菌注射(ボトックス)
無毒化したボツリヌス菌を注射して、アゴまわりの筋肉の動きを止めます。1回注射をすると、3~6月ほど持ちます。早ければ1回で、遅い人だと数回の注射で、歯ぎしりの習慣が消えます。
漢方薬を使う
抑肝散(よくかんさん)という漢方薬が、歯ぎしりに効果があるとされます。薬剤師に相談してみましょう。
ちゃんと食べているのに体重が減る!考えられる原因は?
ダイエットや運動で、体重が減るのは、効果が出ていると言うことでうれしいですが、特に食餌制限もしていないのに体重が減ってきたら不気味ですね。
そんなときに考えられる原因をまとめてみました。
問題な体重減少とは
特にダイエットや激しい運動などをしていないのに、
①1年で10%以上体重が減った場合
②半年で5%以上体重が減った場合
③標準体重(※)より20%以上体重が減った場合
は、なにか問題があると考えられます。
(※)標準体重とは、身長をメートル単位で表したものを二乗して、22をかけたものです。例えば、身長が160cmなら、1.6×1.6×22=56.32kgです。
ただ、高齢者の場合は、通常、10年で1~2kg減るのは自然なことです。
体重が減少する病気等
内分泌疾患
内分泌疾患とはホルモンの働きがうまくいかない病気のことです。
特に、甲状腺ホルモンが出すぎるパセドウ病の場合は、お腹が減って良く食べるのに、体重が減少します。その他、動悸・手の震え・眼が出てくるなどの症状が現れます。
糖尿病
糖尿病の場合、初期では、体重が増加することが多いのですが、病気が進行してくると、インスリンの働きが悪くなって、食事をしても、体のエネルギー源となるブドウ糖を利用できなくなるので、体に蓄積された脂肪を使うしかなくなり、どんどん痩せてきます。
この段階になると、喉が乾いて、盛んに水を飲むようになります。
肝硬変
肝硬変になると、食欲がなくなり、胃腸の消化吸収機能が衰えるので、体重が減少します。
胃腸病
慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・クローン病・セリアック病・吸収不良症候群などの胃腸の病気の場合、胃もたれ・食欲不振などとともに、体重が減少することがあります。
悪性腫瘍
「がん」のことです。胃がん・大腸がん・結腸がん・膵臓がんなどの場合、がん細胞が、正常な細胞に必要な栄養素を奪い取ってしまうので、他の自覚症状が出る前に、体重がどんどん減ることがあります。
結核
ほとんど無くなっていたと思われていたのに、また増加してきた結核。
その症状としては、咳・痰・微熱などがありますが、体重の減少もあらわれます。
アジソン病
慢性副腎皮質機能低下症のことです。副腎皮質ホルモンの分泌が減って、疲労感・食欲不振などの症状が現れて、体重が減少します。顔や手の甲が黒くなったり、口の粘膜に黒いシミができたりします。
うつ病
うつ病にかかると、食欲がなくなり、体重が減少することがあります。
神経性食欲不振症
いわゆる「拒食症」のことです。
若い女性に多く見られます。痩せてた方が美しいという固定観念にとらわれて、ものが食べられなくなり、当然、どんどん痩せてきます。
食べないせいで、低体温・抜け毛・むくみ・生理不順などの不調が現れます。
また、頭がぼんやりしたり、かたくなになって他人の意見を聞かないなど、精神的な問題も出てきます。
場合によっては、死ぬこともあるので、心療内科などで診てもらう必要があります。
HIV感染症
エイズのことです(厳密には同じではありませんが)。発症すると、免疫力が低下して消化吸収がうまくいかなくなり、食欲不振にもなるので、体重が減少します。
まとめ
以上のように、「意図しない体重減少」が起きる原因はさまざまで、素人にはわかりません。はっきりさせるためには、医者に診断してもらう必要があります。
その際は、体重の変化の記録を持っていった方が判断しやすいでしょう。