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傷の治療の新常識 怪我の手当はこうなった

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怪我をしたら、オキシドールで消毒して、赤チンを塗って、ガーゼや絆創膏を貼っておく。一昔前の常識でしたが、それがひっくり返ったのはご存じでしたか?

知らなかったという人は、今度傷ができたら、新しい方法で治療してみましょう。

赤チンはどこに消えた

ある年代以上の人には懐かしい「赤チン」ですが、成分に水銀を含むため、1973年に製造が中止になりました。

海外では、まだ生産されているので、外国から取り寄せて使っている人もいます。

消毒しないほうが良いと言われるわけ

怪我をしたら、消毒をして、化膿を防ぐ-しばらく前までは、常識でした。

しかし、消毒液を塗っても、痛いだけで、傷の治りはかえって遅くなると言うことが分かってきました。

怪我の傷からは、ジュクジュクと透明な液がにじみ出てきますが、この液の中に、細胞を再生させる成分が含まれています。消毒液は、この液体の働きを妨げてしまうのです。そして、傷のまわりの正常な細胞にも、ダメージを与えます。

また、傷の箇所には、通気性の良いガーゼや絆創膏を貼って、乾燥させていましたが、これですと、傷口にカサブタができてしまい、そこに雑菌が繁殖して化膿したりしますし、カサブタが剥がれるときに細胞が破壊されて、傷跡が残ってしまいます。

湿潤療法(モイストヒーリング)とは

湿潤療法とは、練馬光が丘病院の傷の治療センター科長である、夏井睦医師などが発展させた、新しい傷の治療法です。

従来の方法に比べて、痛みが少なく、治りが早く、傷跡が残りにくいと言ったメリットがあります。

この治療法では、次の様な方法で傷の手当てをします。

・傷ができたら、乾かないうちになるべく早く、水道水を流しながら良く洗い、砂・土・砂利等の余計なものを落とします。

・やけどの場合は、洗面器などに水を溜めて、傷の箇所を浸します。

・血が出ているときは、清潔なハンカチやガーゼで圧迫して血を止めます。

・傷のまわりの水分をよく拭き取ります。

・傷を、白色ワセリン(※)を塗った、家庭用のサランラップで覆い、医療用テープなどで止めます。

・傷が治るまで、毎日、サランラップを取り替えます。そのときに、傷を水で洗うようにします。夏の暑い時期には、雑菌が繁殖しやすいので、一日に3回くらい取り替えます。

・サランラップを取り替えるとき、傷口をよく見て、化膿していたり、赤く腫れていたり、熱を帯びていたり、痛みがある場合は、医者にいきます。

※白色ワセリンは、保湿剤などとして、ドラッグストアなどで売っていますが、無ければ、サランラップだけでも構いません。

また、湿潤療法の原理を利用した絆創膏も市販されています。

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傷が治ったあとも、傷跡は、紫外線の影響を受けてシミになりやすいので、3ケ月くらい、外出時は、その部分に日の光が当たらないよう注意しましょう。

湿潤療法の注意点

新しい怪我の治療法として注目されている湿潤療法ですが、どんな傷にも使えるというわけではありません。次の様な場合は、病院で診てもらいましょう。

・深い傷や大きい傷である

・傷の中に、金属片や土砂などが残っている

・古い釘を踏んで傷ついた→破傷風の危険性があります

・犬などの動物に噛まれた→動物の持っている病原体がうつる可能性があります

・血が止まらない

・やけどの場合、大きい水疱ができている

・低温やけどである

・傷口が腫れたり化膿している

・すでにカサブタができている

また、糖尿病などで免疫力が落ちている人や血行障害のある人の場合も、病院で診てもらった方が良いですね。