顎関節症は意外に多い!?あなたの不調はそのせいかも
顎関節症とは
実は、顎の関節(そのまわりも含む)の何かの異常を、まとめて「顎関節症」とよんでいるのです。ですから、原因や症状は、さまざまです。
どんな人がなるの
幼い子供からお年寄りまでかかりますが、一番多いのは、10代の半ば頃から、20代・30代の人です。日本人の二人に一人が一度は経験していると言われます。
女性は、男性の2倍から3倍なりやすいようです。
女性の方が患者が多い理由ははっきりしませんが、痛みに対する感受性が鋭いことや、骨格や靱帯(じんたい)が弱いこと、女性ホルモンの影響などが考えられています。
もう一つ、女性に多い原因として、最近言われているのが、小顔にするための道具(美顔ローラーやリフトアップベルト)の正しくない使い方によるものです。
顎関節症の症状とは
・顎の痛み
食事のときや話をするときに、顎を動かそうとすると痛みます。顎を動かさないときも痛いときは、おそらく別の病気です。
・口が大きく開けられない
通常は、口をいっぱいに開くと、手の人差し指・中指・薬指の3本を縦に並べて、口の中に差し入れることができます。それができないと、顎関節症の疑いがあります。
・顎を動かすと音がする
顎を動かすときに、カクカク・ガクガク・ミシミシ・ジャリジャリといった音がします(クリック音といいます)。音の出る原因はいろいろありますので、他の症状があるかどうかで、顎関節症かどうか判断します。
・噛み合わせに違和感を感じる
顎関節症のせいで、顎がずれて、以前と噛み合わせが変化して、違和感を覚えることがあります。また、顎の動きがスムーズにいかない感じがすることがあります。
顎が外れる=顎関節症ではありません
よく、「顎が外れる」といいますが、これは、「顎関節脱臼」で、顎関節症とは別のものです。(関連はありますが)
全身に症状が出ることも
顎関節症のせいで、顎以外のところにも症状が出ることがあります。主なものは、次のようなものです。
・頭痛や肩こり
顎の筋肉の緊張が頭や肩に影響して、頭痛や肩こりがすることがあります。
・めまいや耳鳴り
顎の関節と耳は近いので、顎関節症になると、中耳や内耳に影響がおよんで、めまいや耳鳴りがすることがあります。
・不眠症や自律神経失調症
顎関節症ですと、上半身のあちこちの筋肉が緊張して、自律神経が乱れて、自律神経失調症や不眠症になったりします。
顎関節症にならないために
・食事の時は、左右両方の歯で均等に噛むようにしましょう。虫歯や歯周病で、片側の歯だけ使っている場合は、歯医者で治療しましょう。また、食事中は、前をむいて食べましょう。横向きでテレビを見たりするのは良くありません。
・歯を食いしばったり歯ぎしりをするのは悪影響があります。ストレスを溜めないようにしましょう。寝るときにマウスピースをするのも良いですね。
・ほおづえをついたり、携帯やスマホを顎と肩で挟んで長く通話するのはやめましょう。
・寝るときは、高すぎないちょうど良い高さの枕を使って、仰向けか横向きで寝ましょう。うつぶせや手枕は避けましょう。
・美顔ローラーやリフトアップベルトは、使い方を守りましょう。小顔にしたいと無理をすると、顎関節症になることがあります。