冷房病(クーラー病)の予防と改善法
「冷房病」とは
よく言われる「冷房病」ですが、医学的にそういう病気があるわけではありません。
また、外国では、冷房病に当たる言葉が知られていません。体質的な違いによるものといわれていますが、はっきりしません。外国には「肩こり」に相当する言葉がないように、実態的な症状はあるけれど、指差す言葉がないので自覚されないということかもしれませんね。
暑い季節に、良く冷房が効いた屋内と、暑い屋外を行き来するうちに、その温度差のせいで、自律神経のバランスが崩れて、体調が悪くなることを、一般的に「冷房病」と呼ぶのです。「クーラー病」と呼ばれることもあります。
内外の気温の差が、5℃以上あると、自律神経は、旨く適応できないで、調子が悪くなると言います。
以前は、女性がなるものというイメージが有りましたが、最近では、女性はそれなりに対策することが多くなってきたのに、男性は、自分が冷房病になるわけがないと思って、症状が現れても放置することが多く、重くなる傾向があると言われます。
冷房病の症状
明確な基準があるわけではない冷房病ですが、一般的には、次のような症状があると言われます。同じく自律神経の乱れからくる「冷え性」の症状に共通しています。
・頭痛
・体のむくみ
・肩こり
・汗が出にくい
・腰痛
・食欲不振
・嘔吐感
・便秘
・下痢
・鼻づまり
・倦怠感
・月経不順
冷房病の対策
冷房病にならないためには、冷房を入れすぎないとか、クーラーの風が直接当たるところを避けるなどが良いのですが、オフィスなどでは、自分の都合で調整できないことが多いですよね。
そういうときは、次のような対策をしましょう。
体を温めるものを使う
・カーディガン
・マスク
・スカーフ
・マフラー
・腹巻き
・使い捨てカイロ
・膝掛け
・靴下の二枚履き
・レッグウォーマー
・足下ヒーター
などで、体を冷やさないようにします
お風呂に入る
夏場はシャワーで済ます人も多いでしょうが、冷房病の改善のためには、ぬるめ(38℃~40℃)のお湯に長めに(20分~30分)入るようにしましょう。
そのとき、下の動画の後半を参照して、ふくらはぎを刺激すると効果的です。
充分に睡眠をとる
睡眠不足ですと、冷房病が悪化します。暑くて寝苦しいときは、タイマーをセットして軽めに冷房を入れたりして、よく寝られるようにしましょう。
ツボを押す
冷房病に効くとされるツボ「合谷」「三陰交」「気海」「湧泉」を押してみましょう。
息を吐きながら親指で4~5秒ほど押し、息を吸いながら力を抜くことを3~5回繰り返します。
貧乏ゆすりをする
オフィスで仕事中など、ちょっと貧乏ゆすりをして、血行を良くしましょう 。
食事の注意
夏は、つい、冷やし中華、アイスクリームやかき氷、冷たい飲み物等をとりがちですが、冷房病の予防のためには、控えておきましょう。
生姜ココア・生姜紅茶などは、体を温めてくれて、冷房病に効果的です。
ネギ・ニンニク・タマネギ・カボチャ・チーズ等も体を温めてくれます。
また、食欲がなくても朝食は抜かずに、三食規則正しく食べるようにします。
ストレッチ
ふくらはぎのストレッチをすることが、冷房病に効果的です。
漢方薬を使う
漢方薬では、「真武湯(しんぶとう)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「人参湯(にんじんとう)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などが、冷房病に効果があると言われます。
体質等によって、どの薬が向いているのかが違うので、医師や薬剤師に相談しましょう。