立ちくらみがする!貧血以外にもこんな病気の可能性も!
座っていて、さっと立ち上がったとたんに目の前が暗くなる、なんて経験はありませんか。こういう「立ちくらみ」は、貧血のせいにされがちですが、むしろ別の病気のことが多いんです。気がつかないうちに大変なことにならないように、目を通しておいてください。
「立ちくらみ」はどんな症状?
急に立ち上がると、ふらついて、真っ直ぐに立っていられなくなったり、目の前が真っ暗になって、周りがよく見えなくなったりします。
めまいがしたり、気が遠くなったり、動悸が激しくなったり、疲れた感じがすることもあります。
ひどいときは、気を失って、倒れることもあります。
お風呂でのぼせた後に立ち上がった時などには、多くの人に起こることです。
「立ちくらみ」の原因は?
起立性低血圧症
普段の血圧は正常でも、寝ていたり座っている状態から立ち上がったときに、高い方の血圧が20mmHg以上・低い方の血圧が10mmHg以上下がる症状がでる疾病を、起立性低血圧症と言います。別名を、「脳貧血」と言いますが、本来の貧血症とは全く別の病気です。
実は、立ちくらみで一番多いのが、この病気と言われています。
人は、立ち上がると、血液が、下半身の方に移動します。それを補うために、通常ですと、心臓が活発に動いたり、末梢神経が収縮したりして、上半身の血圧が下がらないようにするのですが、なんらかの原因で、この調整機能がうまく働かないと、血圧が急に下がって、脳に運ばれる血液も減少して、立ちくらみなどの症状が出るのです。
起立性低血圧症の主な原因は、自律神経の乱れです。自律神経には、アクセルの働きをする交感神経と、ブレーキの役割がある副交感神経とがあって、うまくバランスを取りながら、心身の調整をしています。このバランスが乱れて、副交感神経の方が優位に立つと、血圧をうまく上げられなくなるのです。
高血圧症
高血圧症の場合も、一過性脳虚血発作を起こして、立ちくらみがすることがあります。これは、脳梗塞一歩手前の症状なので、厳重な注意が必要です。
また、高血圧症の人で、降圧剤を飲んでいる人は、人体に本来備わっている血圧調整機能がうまく働かなくなって、起立性低血圧症になり、立ちくらみを起こすことがあります。
血管迷走神経反射
迷走神経とは、主に副交感神経からなる脳神経の一つです。ずっと立ちっぱなしだったり、トイレに行ったり、突然の痛みや精神的ショックに襲われたり、ひどくお腹がすいたりすると、迷走神経が活発になって、血管が広がり、心拍数が少なくなり、そのせいで血圧が下がって、立ちくらみを起こします。
学校の朝礼でしゃがみこんだり、健康診断で採血をしたら気が遠くなったり、老人がトイレを済ませた直後に倒れ込んだりするのは、このせいです。
更年期障害
更年期に、ホルモンのバランスが崩れると、自律神経をつかさどる脳の視床下部がうまく働かなくなり、血圧の調整がむずかしくなります。そして、立ちくらみやめまいが起きるのです。
この頃知られるようになりましたが、男性にも更年期障害が起きることがあり、その症状として、立ちくらみが起きることがあります。
不整脈
一分間の脈拍数が60回未満の徐脈性不整脈の場合、数秒間脈が止まってしまい、脳に血液が送られずに、立ちくらみを起こすことがあります。
不整脈による立ちくらみは、横になっていても起きることがあります。横になっていて「立ちくらみ」というのも変ですが、要するに、クラっとするのです。
肥大型心筋症や大動脈弁狭窄症でも立ちくらみが起きることがあります。
内臓の出血
貧血によって立ちくらみをすることもありますが、特に、胃潰瘍・胃がん・十二指腸潰瘍・大腸ポリープ・大腸がん・子宮筋腫などで出血すると、貧血状態になって、立ちくらみが起きることがあります。
糖尿病
糖尿病の合併症の一つである神経障害が発症すると、自律神経に障害が生じて、血圧のコントロールが上手く行かなくなって、立ちくらみが起きることがあります。
立ちくらみの対策
血管迷走神経反射の場合は、安静にしていれば問題ないことが多いですし、起立性低血圧症の場合も、ゆっくり立ち上がるようにするとか、倒れた場合に備えて体をぶつけると危ないものを身近に置かないなどの対策をとれば、命に別状はないことが多いのですが、立ちくらみが、危険な病気のサインのこともあります。
頻繁に立ちくらみがする場合は、医者に見てもらった方がいいですね。
窓口としては、まず一般内科に行き、必要に応じて、他の科を紹介してもらいます。