脚がムズムズして寝られない!どうしたら良い?
ベッドに入って、脚がへんにムズムズして、よく寝られないことはありませんか?
人によっては、座っていても脚がムズムズして気持ち悪いこともありますね。
対処法があるので、やってみましょう。
脚がムズムズする病気とは
寝ようとすると脚がムズムズする病気を「むずむず脚症候群」と言います。正式には、「レストレスレッグス症候群」とか「下肢静止不能症候群」と言います。アメリカでは、研究者の名から「エクボン症候群」と言われます。
治療が必要な患者は、日本でも200万人くらいいると言われますが、自分では病気とは思わず我慢している人や、病院でむずむず脚症候群以外の病気と診断された人を含めると、かなりの人がかかっていると思われます。
女性の方が男性より1.5倍なりやすいのです。
むずむず脚症候群の症状は
むずむず脚症候群になると、こんな症状が現れます
・寝ようとすると、脚の奥の方に気持ち悪い感じが生じて、なかなか寝付けなかったり、何度も目が覚める
・脚の感じは、皮膚の下を虫が這い回るようだったり、熱っぽかったり、電流がピリピリ流れるようだったりする
・夕方から夜にかけて、リラックスしているときに、脚がムズムズしてじっとしていられなくなるが、歩き回ったり、脚をさすったりすると楽になる
・症状は両脚にでることが多いが、片脚だけにでる人もいる
・脚以外にも、お腹・背中・腰などに症状が出ることがある
周期性四肢運動障害との関連
周期性四肢運動障害とは、寝ているときに、自分では動かそうとしていないのに、つま先や足首がピクピク動いたり、膝頭がグイッと前に突き出されたりする睡眠障害の一種です。
むずむず脚症候群の患者の八割が、この障害を持っています。
むずむず脚症候群になる原因
むずむず脚症候群になぜなるか、はっきりとは解明されていませんが、次のような説が有力です。
人間の筋肉は、無意識のうちにいつでも小刻みに動いています。普段は、ドーパミンという神経伝達物質の働きで、その動きは脳に伝わりません。ところが、ドーパミンの働きが低下すると、筋肉の動きが、そのまま脳に伝わって、不快感を感じると考えられています。ドーパミンは、夜になるにつれて、分泌が減るので、特に症状が現れるのです。
ドーパミンが弱くなる原因には、次の様なものがあります。
遺伝
遺伝的体質でドーパミンの働きが弱いことがあります。この場合、45歳になる前に発症することが多いです。
鉄分不足
鉄分が不足していると、ドーパミンがうまく働きません。
人工透析
腎臓病で人工透析を受けている人の三人に一人がこの病気になります。
妊娠
妊婦の五人に一人が発症します。妊娠中は、体内の鉄分が胎児の方に移動して、鉄分不足になりやすいのです。また、胎児によって脊髄が圧迫されるのも、関係があるのではないかと考えられています。
パーキンソン病
パーキンソン病は、ドーパミンの不足で引き起こされるので、むずむず脚症候群にもなりやすいのです。
糖尿病
糖尿病の合併症として、神経障害が起きることがあり、脚がピリピリします。
その他の病気
関節リウマチ・甲状腺機能低下症・痛風・尿毒症・結核・肺炎・肝炎などにより、むずむず脚症候群の症状が出ることがあります。
病気で胃を切除した後遺症で出ることもあります。
薬の副作用
抗うつ剤の副作用で、症状が出ることがあります。
むずむず脚症候群を改善するには
むずむず脚症候群になったら、つぎのようなことに注意しましょう。
鉄分を補給する
レバー・パセリ・卵・抹茶など、鉄分の多い食品を食べましょう。(抹茶にはカフェインが含まれているので、午後には避けましょう)
サプリメントも活用してみましょう。
嗜好品を控える
カフェイン・タバコ・アルコールは、症状を悪化させるので、症状が出やすい午後には控えるようにしましょう。
エクササイズをする
脚をマッサージする
ふくらはぎを中心に脚のマッサージをします。軽く叩いたり揉んだりします。
ツボを押す
むずむず脚症候群に効くとされるツボを押してみましょう。
軽い運動をする
ウオーキング・踏み台昇降・エアロバイクなど、脚を動かす運動をします。あまり激しい運動をすると逆効果です。
風呂に入る・シャワーをする
寝る前にお風呂で温めると、症状が改善する人がいます。反対に、冷たいシャワーを脚にかけた方が、症状が和らぐという人もいます。自分はどっちのタイプなのか確認してみましょう。
むずむず脚症候群の治療
むずむず脚症候群の症状がひどくて、夜寝られず、日中眠いとがだるいとかで、日常生活に支障が出るようならお医者さんに診てもらいましょう。
睡眠外来や神経内科・精神神経科などで診てもらえます。
むずむず脚症候群の治療には、現在、3種類の薬が使われています。医師に適切な薬を処方してもらいましょう。