手のひらで分かる病気のサイン かゆいとか赤いとか
ふと自分の手のひらを見て、「おや、変だな、どうしたんだろう」と思うことはありませんか。内臓からサインが出ているのかも知れません。
家族や友人の手のひらに問題があるとき、さりげなく教えてあげても良いですね。
手のひらが赤い場合
手のひらが赤いのは、そういう体質で、心配する必要が無いことも多いのですが、内臓のトラブルが表れている可能性もあります
手を下に下ろしたときに、手のひらが赤くなる場合、うっ血を起こしている可能性があります。
循環器系の不調や、ストレス、生活の乱れ、冷え性などのせいで、手の末梢血管(毛細血管)が、血行不良を起こしていることが考えられます。
また、もともと手のひらは赤くなかったのに、この頃赤くなってきたという場合は、肝臓が弱ってきて、「手掌紅斑(しゅしょうこうはん)」が起きているのかも知れません。
手掌紅斑の場合、手のひらのうちでも、特に、親指や小指の付け根の膨らんだところが斑点状に赤らむことが多く、それとの対比で、手のひらの中心付近が白っぽく見えます。
肝臓の働きが悪く、体内のホルモンバランスが崩れると、血管の収縮をうまく抑えられなくて、手のひらの周辺の末梢血管に血液が多く流れ込んできて、赤くなるのです。
また、妊娠すると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が活発になって、その作用で血管が拡張して、手掌紅斑になることがあります。
妊娠中に手のひらが赤くなった場合、妊娠中だから当然だと放置していると、実は肝臓に障害があったという場合もあるので注意が必要です。
その他、血圧やコレステロール値が高い場合も、手のひらが赤くなることがあります。
手のひらが紫色の場合
手のひらが紫色になったりや青白くなるのは、血流が悪くて、血が不足して起きる現象で、「レイノー現象」と呼ばれます。
寒さや精神的緊張のせいで起きることもありますが、膠原病・動脈硬化症・一部の鎮痛剤の副作用などで起きることもあります。
手のひらが黄色い場合
かんきつ類・カボチャ・ニンジンなどのカロテン(カロチン)を多く含む食品を食べ過ぎた場合、「カロチン血症」といって、皮膚が黄色くなることがあります。
最初は、手のひらや足の裏などの角質層が厚い箇所が黄色くなり、重くなると、全身が黄色っぽくなることがあります。
だれでも、カロテンを摂り過ぎるとなる可能性がありますが、高脂血症の人は特に起こりやすいので、コレステロール値に気をつける必要があります。
肝臓や胆管に障害がある場合、「黄疸(おうだん)」という、皮膚が黄色くなる症状が出ることがあり、手のひらが黄色くなります。
黄疸は、貧血のうち、溶血性貧血という、赤血球の寿命が短くなる疾患によっても起きます。
手のひらがかゆい場合
手のひらがかゆい場合、乾燥や手湿疹の場合もありますが、その他の病気のサインの可能性もあります。
肝臓病
肝臓の機能が低下すると、βエンドルフィンという物質が、体内で大量に作られ、手のひら・足の裏を始め、体中がかゆくなります。
特に、胆汁うっ滞型の肝障害の場合、胆汁酸のせいで、夜も寝られないほどかゆいことがあります。
妊娠中に、胆汁うっ滞症になって、かゆみに苦しめられる人もいます。
腎臓病
腎臓の働きが悪いと、老廃物が体外に排出されず、そのせいで、手のひらなどがかゆくなることがあります。
糖尿病
糖尿病の場合、皮膚の感染症にかかりやすく、そのせいで手のひらなどにかゆみを感じることがあります。
アレルギー
金属アレルギーのある人が、金属を手にした場合に、手のひらがかゆくなることがあります。
また、大豆・アーモンド・クルミ・チョコーレートなどに、ごく微量の金属が含まれているので、それを食べた後に、手にかく汗にわずかに金属が含まれていて、金属アレルギーに敏感な人は、手のひらがかゆくなることがあります。