骨粗鬆症の話 予防法と治療法
50歳以上の女性の三人に一人がかかっている「骨粗鬆症」。将来は寝たきりになる可能性もある恐ろしい病気です。
若いうちから、備えておきましょう。
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨がスカスカになってもろくなり、骨が折れやすくなる病気です。
加齢によって起こる原発性骨粗鬆症と、それ以外の病気などによって起こる続発性骨粗鬆症とがあります。
続発性骨粗鬆症の原因としては、ホルモンの乱れ・栄養不足・出産・薬の副作用(ステロイド剤等)・糖尿病・腎臓病などがあります。
骨粗鬆症のセルフチェック
次のようなことに当てはまると、骨粗鬆症の可能性があります。
・骨の検査で、骨量が少ないと言われた
・骨折したことがある
・お酒をよく飲む(日本酒3合以上、ビール中瓶3本以上、ワイン5杯以上)
・お酒を飲むと顔が赤くなる(大腿骨を骨折しやすいという研究結果があります)
・タバコを吸う
・背中や腰が曲がってきた
・立ち上がるとき、腰や背中が痛い
・身長が縮んだ
・運動不足である
・糖尿病である
・女性の場合、閉経している
骨粗鬆症の検診
各自治体で、骨粗鬆症の検診をしているので、保健所・保健センター・役所などに問い合わせてみましょう。
骨粗鬆症の予防
骨粗鬆症を予防するには、まだ若いうちから次のようなことに注意しましょう。
特に、若いうちに、無理なダイエットをしたりすると、将来、骨粗鬆症になりやすくなるので注意しましょう。
カルシウムを摂る
日本人に不足しがちなカルシウムを充分に摂りましょう。
カルシウムは、乳製品・豆腐や納豆などの大豆製品・小魚(骨ごと食べるもの)・海藻類・緑黄色野菜などに含まれています。
また、カルシウムは、体に吸収されされにくいので、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンD・ビタミンK・クエン酸・タンパク質・炭水化物を合わせて食べましょう。
マグネシウムも、カルシウムがちゃんと働くのに必要です。
ビタミンDは、魚類に多く含まれています。また、日光を浴びると皮膚で作られます。
ビタミンKは、納豆・パセリ・しそ・モロヘイヤなどに含まれています。
クエン酸は、かんきつ類や梅干しに含まれています。
マグネシウムは、ナッツ類・大豆製品・海藻類・魚介類などに含まれています。
ところで、日本人は、腸の中に、牛乳のなかのカルシウムを消化吸収するのに必要な酵素がないので、カルシウムを摂るために牛乳を飲むのは意味が無いという議論があります。
この議論は、学会の定説になっているわけではありませんが、気になるひとは、牛乳以外からカルシウムを摂るとか、サプリを飲むとかしてみましょう。
MBPを摂る
MBPとは、最近の研究で、骨密度を高めるとして注目されている、タンパク質の一種です。
MBPは、一般の食品にはわずかしか含まれていないので、サプリの形で摂取するのが実用的です。
運動をする
適度な運動により、骨の中の血管の血行が良くなって、骨を造る細胞が活発化します。
また、脚の筋肉を鍛えることにより、転倒して骨折することを防げます。
ウオーキング・ジョギング・水泳・サイクリングなどの有酸素運動をしましょう。
簡単な体操も良いですね。
骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症の治療をする場合は、症状によって、受診する科を選びます。
背中や腰が痛い、歩きづらい:整形外科
更年期障害がある、月経不順である:産婦人科
上記以外:内科
また、可能であれば、骨粗鬆症の専門医に診てもらえば安心ですね。
基本的には薬物療法ですが、食事や運動の指導も合わせて行われることがあります。